『ニキーチンユニキューブ』に続いて、
ニキーチン模様作りの使い方のポイント、作例についてご紹介します。
ニキーチン模様作りとは?
『ニキーチン模様作り』積み木の特徴
この写真のように、ニキーチン模様作りは、
一面が1色正方形のものと、
一面が2色の三角形
のものが、一つのキューブ(6面)の中に混在しているという、
積み木の中でも、非常に変わった配色がされています。
この『ニキーチン模様作り』は、どんな作例(模様)が作れるか?
という遊び方を、小学生くらいの年齢の子供たちにさせる積み木として、ニキーチンが開発したものです。
幼児期に使う時は、まだ作例集作りは難しいので、お手本の作例集を見ながら同じものを作る作業をすれば、
観察力や記憶力、集中力を鍛えながら、徐々に算数の要素を発見し、達成感を積み重ねていく遊びとしておすすめです。
開発者ニキーチンが子供たちにさせた遊びとは?
ニキーチン(1916年ー1999年)には、7人の子どもがいて、様々な遊びのできる積み木を作りました。
中でも、この『模様作り』の積み木は、子ども達自身に積み木でできる模様の作例をさせ、
作例集をどんどん描き足していくことで、創造力を鍛え、アイデアが思いついた時のひらめき力、また一つ作例が自身のチカラで増やせたという達成感の積み上げに良いと与えたものです。
ぜひ、このブログで紹介する作例は幼児向けに使い、小学生以上なら、自分で作例を考えさせてあげるといいですね。
ニキーチンの家では、きょうだいでやっていたため、2~3歳児に与える課題というよりも、小学生レベルの作業としてやっていたようです。
新しい模様が出来るたび、自分たちで考えた積み木の模様の置き方の作図を画用紙帳などに描き写していきます。
模様のパターンが出過ぎるほど、ほかにも何か作れないか?という難易度が増していきます。
年齢が低い場合(幼児)は、そのような絵に描いた作例図を見せるか、余った積み木をお手本にして同じ模様を作る練習をしましょう。
しかし、本来、年齢が低いほど、お手本は実体物である積み木が好ましいです。
積み木を置く練習(1歳~2歳)
1歳~2歳は、まだ指先が思うように目と手の協応が上手くいかず、積み木がズレることなく並べることが出来ません。
3個~4個の積み木がズレることなくきれいに並べられるようになるまで、色や数を気にせず、少ない積み木を並べたり、積んだりするだけでも大丈夫です。
上手に並べられるようになったと思う頃から、少ない積み木で様々な模様の作例に挑戦しましょう。
以下が、4個の積み木でできる模様です。
親が、積み木でお手本を作り、これと同じように並べてご覧!
と見せてあげましょう。
※色の認識がまだ分からない状態なら、ニキーチンユニキューブの最初の段階のように、上面に同じ色を集める練習を入れましょう!
【ニキーチン模様作り・4個の積み木の作例】
積み木は多色塗りで、三角もあるため、たとえ4個の積み木でも、
このように多くの図柄を作ることができます。
同じ模様でも、色を変えてみるだけもより多くの取り組みができます。
また、4個でやっているときは、お手本を余った積み木で見せることができますので、
紙に描いたものよりも、一層、お手本として見易くなります。
実は、この積み木の大事な算数の要素として、正方形が三角形2つで作られていることを
自分自身で発見する!
ということが大事なのです。
ニキーチン模様作りの積み木は、全部同じように塗られていますので、積み木を選ぶ必要がありません。
難易度を付けたい時は、ニキーチンユニキューブを混ぜると、手の中で、色の確認をしないといけなくなるため、手の中でクルクル回転させて、確認をさせることがでるため、観察力や判断力もUPします。
また、異なる配色の積み木の数が多くなければ、その分、作れる模様の作例も増えてきます!
そのほかにも、たくさんの三角形を使って、大きな三角形が作れる図柄もできます。
三角形が同じ形のまま大きくなったり、小さくなることで、算数の拡大と縮小という要素も学ぶことができますが、
これも、自分で発見できるまでは、親が説明してはいけません。
三角形の数を数えさせて、見比べることで、縦と横が2倍になると、面積が4倍になることも分かりますね!
「縮小の方の白い部分(正方形は三角形が2個)」には、三角形が4つ分。
縦と横の長さが2倍の「拡大された白い部分」は、三角形が16個分。
繰り返しているうちに、気付いてくるようになります。
拡大と縮小は、正方形やいろいろな色で作ってみて、必ず、増えたかずと比較してみるといいですね。
ここに出てくる図柄のすべてが、三角形のみ(正方形は三角形2つなので!)で作られる図柄だということを、親が教えないで、発見させることが出来れば、
算数の図形が得意になるスイッチが入ったと言えます。
なぜかというと、図形の認識力が上がると、三角形の形が書かれていない複雑な作例の図面に、積み木を使わずに、配置する線を引くことができるようになるからです。
頭の中で図形を分解して構成できるチカラがつけば、いずれ、小学校以降の図形問題で、対角線を一本足すと解けるような問題をすぐに頭の中でイメージできるようになります。
ですので、少ない積み木でも、数をこなすことで、しっかりたくさんの作例にチャレンジさせてあげて下さい。
大きめなサイズの模様作り
積み木4個でチカラが十分ついてきたら、積み木の数を増やしてみましょう。
お子様の様子を見ながら、量を増やしてあげて下さい。
大きめなサイズの積み木を作る場合は、できるだけ規則性や対称図形など、算数の要素を取り入れることを大事にしましょう。
様々な規則性を応用したり、シンメトリーに置くことで、感覚的に美しさが出てくることも身に付けることができます。
※ここで紹介しているのは、知能積み木の使い方なため、できるだけ算数要素を取り入れますが、
例「魚」「猫」の形に見えるというような不規則な置き方で、算数要素が無い遊び方は、創造力(造形遊び)の使い方になります。
『ニキーチン積み木模様作り』作例集
作例は、4個×4個の16個ですべて作られています。
量が多くなると、幼児は、最初のうちは、1つ1つの色や向きを見ながら置いていきますが、
・繋がって見えるけど、4個で出来る同じ模様を、4か所に配置している
・規則性がある
など、発見できると、作業にかかる時間が、大幅に短縮されます。
すぐに仕上がるのは、規則性などを発見したと言えるでしょう。
(色分けした規則性図形)
線対称・点対称図形
このような模様をたくさん作ることで、
正方形は、三角形が2つ
三角形2つで、もっと大きな三角形が1つ
三角形4つで正方形
三角形で、平行四辺形や、台形などが作れていることを、感覚で、自分で発見できるまで遊びましょう。
平行四辺形や台形を気付かせたい場合は、その形が浮き彫りになるようなお手本の図柄を作ってあげると分かりやすくなります。
例えば、黄色と青の図柄の中の平行四辺形は、青の平行四辺形の次を、赤の平行四辺形の交互にすると、一層、分かりやすくなります。
模様を画用紙に自分で描いてみることで、もっと発見しやすくなるでしょう。