『算数脳』の著者は、入塾がキャンセル待ちのすごい人気となっている 学習教室「花まる学習会」代表の高濱正伸氏です。
高濱 正伸氏は、算数オリンピック問題作成委員・決勝大会総合解説員などの肩書があり、
塾でも、「国語力」「数理的思考力」「野外の体験教室」の指導法が評判を呼んでいます。
そして、この著書「小3までに育てたい 算数脳」の中で、知能積み木 について大変興味深い内容が書かれていますのでご紹介します。
知能積み木 の課題が就職試験に登場!その理由は?
就職試験の課題に 知能積み木!
2005年に出版された本なので、現在は、就職試験に利用されているかどうかは不明ですが、
「なぜ? 知能積み木 が就職試験の課題にされたのか?」
が、興味深い重要なポイントになります。
この本によると、某企業が、ある時、就職試験の課題の一つとして、非常に難問の 知能積み木 の課題を出したそうです。
多くの人は、
「思考力のテストだろうか?」
「いち早く、完成した方が、テストの得点が高いのではないだろうか?」
そう思いながら、チャレンジしたことでしょう!
ところが、最大級の難問なため、そう簡単に完成できるものではありませんでした。
「あと、もう少しで完成なのに、最後の2~3個が収まりきらない!」
誰もが、あせりながら、終わりごろに詰めた積み木を何個か取り出してまた詰めてみる。
しかし、上手くいかない!
この様子に、試験官が動き始めました。
目の前の課題に行き詰ったとき、どんな対応をするか?
をチェックし始めたのです。
数個の積み木を、何度も出し入れするばかりで、完成に近づけない人。
すべてをひっくり返し、1からやり直す人!
そう、この課題は、行き詰ったら、最初からやり直す人を見つけ出すための課題だったというのです。
やり直すときに、先ほどとは見方を変えて、また違ったやり方を試すことで、上手くいくことがあります。
このような問題解決能力を試す出題は、仕事をするようになった時、すでに出来上がっている状態を崩す勇気がなく、失敗や挫折を繰り返す人よりも、
すべてをいったん白紙に戻し、別なやり方を試みる人の方が職場では活躍しやすい有能な人材である!
という考えからきた課題だったのです。
つまり、難しい仕事への適応力は、いろいろな角度から物事を見る発想力と、論理的に物事を組み立てていく思考力、行き詰った時の判断力などが必要となり、
これらの能力をすべて試せるのが、”知能積み木”だと判断されたことになります。
筆者の著書「算数脳」には、このような柔軟な思考回路や根性を築くには、0歳から10歳までの幼少期の育て方の環境が最も重要だとも語っています。
幼児向け知能積み木教室でも同じことをやっている!
うちの息子は、幼児期から小学校低学年までの5年間、知能積み木教室に通いました。
そこでも、やはり、同じような指導がされています。
最後の積み木がどうしても上手く詰めることができず、数個取り出して入れ直していると、先生がやってきて、
「最初からやり直してごらん。その方が早いから!」
と、すべてひっくり返してしまいます。
もうすぐ完成と思っていた子は、最初のうちは、先生を怒ったり、泣いたりすることもありますが、だんだんと納得いくのか、
通い続けているうちに、自分からひっくり返すようになります。
時間をかけて完成間近なものをやり直すのは、精神的にも成長を感じる瞬間です。
知能積み木は、一方向から見ただけでは、上手く完成しない問題があります。
教室の先生も、積み木は、多面的な角度で物事を捉える訓練には最適だと、よくおっしゃっていました。
そして、知能積み木は、ただ完成できれば「すごい!」ではなく、
行き詰った時のお母さんの声掛け
「最初からやり直してごらん!」
が、問題解決能力を育むきっかけとなるのです。
まとめ
知能積み木や、オフィスでの仕事に限らず、
算数や数学の問題でも、行き詰った時に、
違う公式を当てはめてみる!
それでダメなら、また違う公式を使ってみる!
数学が得意な「算数脳」を持っている人は、そうやって新たな数式を立て直して考えているときが最も数学を楽しんでいるときなのだ!
と書かれていました。
性格統計学のタイプ分けで、ロジカルと診断された方は、
算数を教えてあげるとき、すぐにでも答えを出せる方が、勉強時間の効率がいいと考えがちになることがあるかもしれません。しかし、
どのように理解し、解いていくのか?
その過程も大事なときがあるのです。
頑張って考え込んでいるようなら、親が焦らず、見守ってあげてこそ、数学好きになるかもしれませんね!
知能積み木は、ただ図形構成力を養うだけのものではない!というお話しでした。